研究内容

どんな研究室?

 私たちの研究室では「光」と「ナノ物質」をキーワードにして、これらの相互作用のミクロな機構とその先端的応用に向けた理論研究しています。

 研究は、光と物質の相互作用を記述する新しい理論的枠組みの開発など基礎的な内容から、光スイッチ、量子位相ゲート、ナノ光マニピュレーション、高効率熱電変換のような応用を強く意識した課題までを手がけています。

 研究室内では全ての構成員が一人一人の力を超えてさらに伸びていくことができるよう、お互いに伸ばし合うためのコミュニケーションを大切にしています。


何を研究をしているの?

 「揺れ動く電子や原子によって作られる光」、逆に「光が当たって揺り動かされる電子や原子」、このようなやりとりをさまざまな物質や光について 理論的、あるいは実験的に解析し、未知の機能を探求するのが私たちの研究です。

 近年では微細加工技術の急速な進歩によって、サイズが巨視的(マクロスコピック)な物質と微視的(ミクロスコピック)な原子・分子の中間にあるようなナノ物質系が精度良く作られるようになり、この分野の研究の発展は、非常に強く期待されています。

 理論的研究では、ナノ構造に特有のサイズや形状に依存した電子系の空間的、エネルギー的構造と、古典的・量子的性質が制御された光の特性を積極的に利用して「光と物質」の相互作用を「デザイン」し、光スイッチ、量子情報デバイス、ナノ微粒子操作などの未来技術を実現させる新しい光機能を追求します。


どんな研究手法?

 物質と光の相互作用を微視的(量子力学的)立場から記述するための新しいモデルの提案をし、理論的方法を開発します。さらにその理論に基づいた様々な規模の数値計算を行います。この作業で欠かせないのが最新の計算機環境です。私たちの研究室では最新CPUを持つ学術用計算機システムを整備し、また連携研究室と並列計算機システムを共同利用しています。

 また、私たちの研究室ではメンバー全員の机上にノートパソコンを装備しており、それを端末にして計算機システムにログインし、並列計算などの大規模科学技術計算、計算データのグラフィクス、アニメーション化などが出来るようになっています。また、連携研究室との共同利用計算機では多くのメンバーが計算ジョブを投入しますが、ジョブ管理システムにより、各自のジョブが自動的に最適なCPUに割り振られるようになっています。このような計算機環境、ネットワーク環境の下で、計算機の使用や管理運用の技術を身につけることも出来ます。


研究テーマ

  • レーザー光によるナノ物質のマニピュレーション
  • ナノ光アンテナを使った光エネルギーの捕集と変換
  • ナノ薄膜による超高速光スイッチ機能
  • もつれ合い光子対の超高効率生成
  • 量子計算へ向けての量子位相ゲートの理論
  • 光-ナノ物質複合系の計算物理
  • 超高速非線形応答の理論
  • 光合成における光エネルギー輸送の機構解明